ちょっと気になる経理処理

2025.11.06

今さら聞けない!紙書類の扱い

 領収書や請求書などの証憑書類は、過去の取引などを確認するために必要な書類です。特に税務調査において、経理処理の正確性や取引の信憑性を証明するために重要な資料となります。下記の紙書類などの扱いについて改めて確認し、ぜひ日々の業務や引き継ぎの際にご活用ください。

1. 書類は「ためずにできるだけ早く処理」し、月別・日付順で保存
 書類は受領後、できる限り速やかに仕分けや記帳を行い、月末にまとめて処理するのは避けましょう。まとめて処理すると、記憶違いや抜け漏れが生じやすくなります。
・領収書は糊付けする必要はなく、クリアポケット等に収納でOK
・請求書は取引先ごとにまとめて保管すると確認がスムーズ
・年度ごとにファイルや箱にまとめてラベル管理を行うと、探す手間が減少

2. 書類の記載内容を必ずチェックし、不備があれば早めに対応
 日付・金額・取引先名などの記載漏れや誤りは、再発行を依頼するか、メモを添えて補足しましょう。また、軽減税率や非課税の区分にも注意が必要です。
・法人個人を問わず、帳簿や証憑書類の保存期間は7年間が義務(青色欠損金の繰越がある法人は10  年間)
・保存期間を過ぎるまでは廃棄せず、適切に保管

3. 日常業務は「ルーティン化」で効率化
 書類整理の日を決めて、定期的に処理する習慣をつけましょう。会計処理と同時に整理すると後の手間が減少します。チェックリストや付箋を使った抜け防止も効果的です。

4. 電子で受領した書類は法律に沿った保存
・PDFやメールでの電子書類は、単に印刷して保存するだけでは不可
・電子帳簿保存法の要件を満たした保存が必要
・対応が難しい場合は、早めの検討と準備

日々の小さな工夫が、経理業務の正確性と効率化につながります。

ご不明な点等ございましたら、弊社担当者までお気軽にご連絡ください。


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