スタッフブログ

2017.04.01

自信について

ネットリンクス㈱ 山本

 先日美観地区を歩いていると、「今、お忙しい?」と一人の女性に呼び止められました。

 音楽の専門学校生による演奏があるから、よかったら寄って行って、とのこと。宿の一角を借りて演奏をするようで、生の演奏が聴ける機会も滅多にないと思いお邪魔させてもらいました。
まだ結成3か月ほどの1年生達で演奏は拙いながらも、映像と音楽を組み合わせるなど、色々な工夫をしてお客さんを楽しませようとする姿勢が感じられとても楽しめました。
ただ少し、折角いい演奏なのに自信なさげなのが勿体ないなと感じました。そう感じた時、数年前自分も「演奏に自信がなさそう」と指摘されたことを思い出しました。

 私は大学時代、ジャズ研究会に所属しており、彼らのようにお店の一角を借りて演奏させていただいていました。ピアノ、ベース、ドラムのトリオバンドのピアノ担当。たまにサックスやトランペットを迎えることもありましたが、基本はピアノトリオでの演奏です。

 単に曲を奏でることとは別なピアノの役割として、「曲を仕切ること」「演奏会全体を仕切ること」を任されていました。時間を見て曲の長さを調節したり、演奏会のMCをしたりですね。(あくまで私たちのバンドでは、です。)

 言葉にすれば容易ですがお客様の前で上記のことをするのは、当時ものすごく大きな不安を感じていました。きっと誰から見ても、自信なさげな表情だったのだと思います。
ある時、場所を貸してくださっているお店のオーナーから「もっと自信を持って演奏しなさい」と言われました。演奏技術が未熟なのは誰が聴いても分かる事。それでもその演奏を聴きに来てくれているお客様のために、これが自分の演奏なのだと胸を張りなさい、と。
当時ももちろんその言葉に深く納得しましたがそれでもやはり、自分の未熟さにずっと自信が持ちきれなかったように思います。

 美観地区で彼らの演奏を聴いて、やっとあの時オーナーが言ったことを心から理解できたような気がしました。自分の実力を受け入れ、自信をもって相手に提供する。補わなくてはいけないところは日々努力する。高みばかり見て手元が疎かにならないようにしなければ、ということを気づかせてくれた店のオーナーと若い彼らに感謝です。