役員コラム

2020.10.05

100年目の国勢調査

   

㈱あさひ合同会計 代表取締役 髙木 正男

 今年は5年に一度の国勢調査の年です。10月1日が調査日のため、皆さんの家庭にも調査用紙が届き、ちょうど記入されている頃かもしれません。大正9年の調査開始から今年で100年の節目を迎えたとのこと。記念ロゴマークもできて、本来ならもう少し大々的に扱われてもおかしくないのですが、コロナ禍で粛々と行われているように思えます。

 私は今まで面倒と思いながら、チョコチョコと記入して提出していました。ところが今年は様子が違います。なんと、自分が国勢調査の調査員になってしまったからです。永年、町内会長をしていた方がこの春に引っ越してしまい、適当な人がいないからと町内会長を押し付けられました。他に頼む人もいないので調査員も引き受けることになってしまったという訳です。

 国勢調査員の身分は「非常勤国家公務員」だそうです。総務大臣の任命状までもらってしまいました。市役所での打合せ会に出席し、調査の手引きやら配布書類やら七つ道具(メルカリ出品で話題になったバッグなど)まで段ボール箱にいっぱいのものを渡され、地区を調べて配布先リスト作成、配布・回収計画等々、事前に準備したり勉強しておかないといけないことが山ほどありました。

 国勢調査の根拠法は時代により変わり、2010年からは統計法に基づき実施されています。米国では1790年から、英仏では1801年から行われていて、日本の倍以上の歴史があるらしいです。選挙区割りや地方交付税の算定、防災対策、平均余命や死亡率の計算にも基礎情報として使われます。

 IT・AIの進歩でビッグデータの活用が言われている昨今、国勢調査のデータがどう活かされるのか、心配もありますが、期待していけたらいいな、と思いながら取り組んでいます。ただ、個人情報保護の壁は毎回高くなり、次回調査時には、やり方を抜本的に変えないと正しいデータは集まらないだろうと思います。

 今回の回答は、インターネット利用がかなり増加するでしょう。コロナ禍でもあり、人との接触が少しでも少ない方がいいですよね。それでも国勢調査員がお家を訪ねてきたら、ぞんざいにせず、ぜひ優しく接していただきたいと思います。