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2026.09.11
来年度の税制改正に向け、個人向け国債を巡る税制の見直しが検討されています。NISAの対象拡大や相続税の軽減案も示されており、今後の制度改正の動向が注目されます。
1.検討状況とその背景
国民民主党は7月、NISA(少額投資非課税制度、下記2も参照)の対象に国債を加え、利子や売却益を非課税とするとともに、相続税も非課税とする法案を参議院に提出しました。
一方、自民党内でも個人向け国債に係る相続税を減免すべきとの意見が一部で出ています。
さらに、片山財務大臣は同月の閣議後記者会見で「やっていくときじゃないか」と発言し、この制度改正に注目が集まっています。
こうした議論の背景には、日本銀行が国債の買い入れを縮小する中、新たな購入者を増やす必要があること、また、高齢者が多く保有する預貯金を投資へ振り向けたいという政策的な狙いもあると考えられています。
2.NISA(少額投資非課税制度)の概要
現在、NISA口座で得た配当金や売却益には所得税・住民税がかかりません。ただし、この非課税の対象は上場株式や一定の投資信託に限られており、国債は対象外です。今回の議論では、この対象に国債を加えることが提案されています。また、NISA口座を保有していた方が亡くなった場合、その口座内の資産は他の財産と同様に相続税の課税対象となります。今回の提案では、NISA口座内の国債については、“相続税も”非課税とすることが盛り込まれています。
3.改正実現に向けた課題
NISAには、「家計の資産を企業への投資につなげ、経済成長を後押しする」という目的があり、資金が国に向かう国債を対象とすることは、その制度趣旨と整合性がとれないこととなります。また、国債だけを相続税の優遇対象とすると、他の金融商品との公平性が損なわれ、さらに、富裕層ほど恩恵を受けやすい制度になることから、慎重な意見もあります。
その他、国債の購入促進にはつながるものの、その分だけ税収は減少します。消費税減税などの財源確保も議論される中、財政とのバランスをどのように取るかも論点です。
4.今後の流れ
今回取り上げた国債の取扱い他、翌年度以降の税制改正の方針を示す「税制改正大綱」は、例年12月に公表されます(今年は消費税減税大綱が先行して秋に取りまとめられる予定)。
年末に向け、今後、政府・与党を中心として議論が進められる見込みです。実現に向けて課題はありますが、改正となれば、個人の資産運用や相続税対策にも大きな影響を与える内容となるため、その行方が注目されます。
※内容は執筆時点の法律等に基づき整理しています。制度改正があるほか、内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な取り扱いを記載しております。対策の立案・実行については、専門家にご相談の上進めていただきますようお願い申し上げます。