相続・事業承継あれこれ

2019.12.01

障害者の方の相続税・贈与税 特例

今月号は障害者の方の相続税・贈与税特例を整理します。
相続税の障害者控除は障害者本人から控除できる場合もあり、漏れがないよう確認が必要です。

【1】相続税の特例 ~ 障害者控除(相続税額から一定額を控除) ~ 
① 控除を受けられる相続人の条件
財産を取得した方が、下記全てに該当する必要があります。
・相続時点で障害者である(亡くなった方は関係ありません)
・法定相続人である
・財産を取得した時に、原則として日本国内に住所がある

② 控除額
障害の状況に応じて、控除される額が決まっています。
障害の状況に応じた控除額
※療育手帳の交付を受けている方も対象となります(重度の場合は特別障害者)
※障害者手帳を所有していない場合でも、要介護・要支援認定を受けた高齢者(65歳以上)のうち、寝たきり・認知症等の状況により、対象者となる場合があります(福祉事務所への申請が必要)
《参考》
控除額が障害者本人の相続税額より大きく、引ききれない金額があるときは、その引ききれない金額は、障害者の兄弟姉妹等の相続税額から控除できます

【2】贈与税の特例 ~ 障害者の方に対する贈与税の非課税 ~
① 制度の概要
親族の方などが、障害者であるお子様等に金銭等を贈与する際、一定額までが非課税となります。
② 手続き
信託銀行等で所定の手続きをとる必要があります。
・親族の方などが、障害者の方に贈与する金銭等を信託銀行等に預ける(一定額まで非課税)
・信託銀行等は財産を管理しながら、対象となる障害者の方に定期的に金銭を支払う
(財産を贈与した親族が亡くなった後も、信託銀行等が引き続き管理・運用・支払を行う)③ 非課税額
障害の状況に応じて、非課税とされる額が決まっています。
障害の状況に応じた非課税額
※療育手帳の交付を受けている方も対象となります(重度の場合は特別障害者)

※障害者手帳を所有していない場合でも、要介護・要支援認定を受けた高齢者(65歳以上)のうち、寝たきり・認知症等の状況により、対象者となる場合があります(福祉事務所への申請が必要)