役員コラム

2024.04.08

手紙

㈱あさひ合同会計 代表取締役社長 藤原 耕司
 
 今年の確定申告で慌ただしくしている最中、面識のない
、県内の高校三年生から会社あてに一通の手紙が届いた。

 採用応募?と思いつつ開封すると、会社へのアンケート。その内容は「環境問題やカーボンクレジットについての意識と実施策の調査」について。弊社だけでなく、各企業に聞き取りした内容を、四月から進学が決まっている大学での研究に生かし、地球環境改善を目指したいとのこと。

 どういった方か興味をもち、検索エンジンにお名前を入力すると、付け焼刃ではない、これまでの真摯な取り組みの数々が見て取れ、頼もしい。

 私が高校を卒業したのは、ちょうど30年前。周りには、手紙をくれた生徒さんのように、社会の一員として、自分が取り組む将来像を描いている同級生が何人かいたように思うが、当時の記憶がおぼろげなのは、残念ながら“そちら側”にいなかったから。
 その後、大学を卒業するまで漠然と日々過ごし、適度に遊び、ほどよく学ぶ。不真面目ではなかったが、自分のため以外に、何かにこだわり、時間をかけて真剣に取り組むことは格好良くないように感じ、そうした方たちを遠めに眺めていたなぁ(そして社会に出て道に迷う)、とため息。

 今は幸い、自らも大切にしながら、社会との関わりの中で取り組みたいテーマがいくつかある。そのうちの一つは、創業から約50年続く、あさひ合同会計が永続化できるよう、次世代につなぐこと。もちろん、存続そのものを目的としているのではなく、お客様・働く方・社会にとって少しでも価値のある企業体として。

 いつの時代も若者が台頭する。桜花爛漫の頃、桜の木が育つまでは随分時間がかかるし、どういった咲き方をするか分からないけど、その生徒さんのこれからの活躍を楽しみにしたい。

 若い方に刺激を受け、後になって「自分のことしか考えていなかった」と同じ振り返りをしないよう、気持ちを新たにした年度始め。拙文を将来の自分宛てにも。