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職場環境
今年の夏、低音性の難聴になった。
どうやら、私の席のすぐ近くにあるネットワークサーバー機2台から生じる一定の機械音を長時間にわたり聞き続けたことによる弊害らしい。
ある日突然、音が不快に響いて聴こえ、耳の奥の骨が振動し、頭ごと響くようになった。慌ててお医者さんに診てもらった。
最初の診察の時、お医者さんから、家や職場で身近に不自然な音や大きな騒音源がないかと訊ねられたが、工場で働いているわけでもないし全く思い当たらなかった。
原因もよくわからず、すっきりしない日が続いた。そのうちに事務所で仕事をしている間中、後ろ頭が響くようになり、軽い吐き気がするようになった。
わかった。すぐ後ろのサーバー機の音だ。
最初は、この2台のサーバー機からは音がしているけれど、工事現場のような音量というわけでもないし、これが原因であるわけがないと思っていた。だけどわかった。周りのスチール製のキャビネットに共鳴して、私の座っている位置に直接響いてくる。今まで当たり前のこととして、この音環境に慣れてしまっていたが、改めて聴いてみると結構な騒音だ。いったん、不快な音として認識してしまうと、その音に対して嫌悪感までどんどん積み重なってくる。事務所にいる時間が長いだけに、気にしないようにと、やり過ごすこともきつくなる。この先何年も仕事していけるのだろうかと不安になるくらいだ。
「文明はめざましく進化していきますが、人間の耳はそんなに早く進化していきません。不自然な機械の音を、近くで10年も聴いていたなら仕方ありません。気長に治していきましょう。まずはその音源から離れてください。」
みんなに協力をしてもらって、2メートルほど離れた席に移動することにした。そして、防音マットをサーバー機の下に敷き、さらにパーテーションを1枚置いてみた。いい感じ。これだけでもかなりの遮音になる。OA機器の導入の際には、防音対策ということも併せて考えていくことも大事なことなのだと気付かされた。その後2週間ほどで嫌悪感を感じるような不快な響きはほとんどなくなった。この状況が続けば、難聴で医者通いをしていたっけ、と話のネタにする日も近いだろう。
職場というのは一日のかなりの時間を過ごす。その積み重ねが一生となるのだから、侮ることはできない。不快の元凶はできる限り解消し、快適な空間にしていくように心掛けよう。みんながそれぞれの仕事に集中できるような職場環境を整えることも総務の大切な仕事の一つだと、身をもって勉強させられた。
日中はまだまだ暑いが、少しだけ早くなった夕陽に秋の気配を感じる。耳を澄ませると、虫の声が聴こえる、そんな楽しみをいつまでも大切にしたいものだ。

平成23年9月 今田 泉美 |

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