つい先日見た夢である。前後の脈絡は明らかでないけれど、自らの職業生活を振り返って、おおむねこれまで頑張ってきて良かったと夢の中でしみじみ思った。現実には頑張りすぎて、最近少し体調を崩したかもしれない。しかしそのことで後悔はしていない。それよりも万一この30年間頑張っていなくてこの年齢を迎えたらさぞ後悔したことだろうと目が覚めて強く思えた。地団太を踏んでも過ぎた歳月は帰らない。
確かに頑張ったとはいいながら、ベストであったとは言えず、まだまだ努力の足りないことはいくらでも数えられる。しかしこれは事務所の20周年の挨拶にも書いたことだけれど、毎日を大切に几帳面に過ごしてきたことだけは自信がある。その暮らしぶりは30年間いささかも変えなかった。毎年目標を立てる。毎月毎日計画的に日を過ごす。几帳面に暮らすことは疲れることだから、その習慣を私は出来れば捨てたいけれど捨てられない。几帳面さは私の特性であると同時に、間違いなく日本人の美質である。失くしてはならないと思うから。
「税理士の名を辱めないよう、否、税理士の枠を超え新しい仕事の領域を求めて今後とも研鑽する覚悟でございます。」
これは私の開業案内の一節である。税理士という古い皮袋に新しい酒を、この思いは30年間変わらない。革新とまではいかないまでも日々改善を積み重ねること、そして今ひとつ奥山学校と揶揄されてもいいから人材を育てること。30年前の開業の志は何一つ変わらない。
事務所経営の軸足は変わらないけれど、この30年の間に経済、社会、政治は何もかも変わってしまった。私は私が生きた時代の意味を知りたくて、平成14年から17年まで岡山大学経済学研究科で1970年代以降の日本経済史を学び直し、少しはその骨組を理解できた気がするけれど、極めたいことはいくらでも数えられて興味は尽きない。
30周年にあたり、30年間の年表を作成し、自分史を書き込める空欄をもうけて、皆様とこの30年を振り返られたらと思う。(年表は出来次第配布します。)
30年を振り返って最も感慨深いことは、変化の激しさと共に、その激しさゆえに志なかばで事業を放棄せざるを得なかった多くの仲間がいたことである。共に30周年を迎えることのなかった多くのお客様を思うたびに心が痛む。
経営とは環境の変化に適応することである、と口では簡単に言うけれどこれほど難しいことはない。
30周年にあたり、奥山ユ税理士事務所は税理士法人へ法人化するよう、ただ今準備中である。法人化することにより、個人事務所であるよりは存続の基盤を強固にしたい。そしてより多くの税理士が集い、より多くのスタッフが存分に能力を発揮できる環境を整えたい。そして今後とも激しくなるであろう変革にいかに対応すべきか、共に考えられる事務所を再構築する覚悟である。
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